繊維の未来を変える国:バングラデシュで進むリサイクル革命

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世界有数の衣料品生産国、バングラデシュ。日本でも「Made in Bangladesh」のタグを見かける機会が増えてきました。実はこの国、世界で中国に次ぐ第2位の衣料品輸出国として、世界のファッション産業を支える重要な存在となっています。

しかしその一方で、繊維産業がもたらす環境負荷も深刻です。特に工場から出る「裁断くず」や売れ残り製品といった廃棄物は、年間でおよそ57万7,000トンにも上るとされています。これは膨大な資源の無駄であり、環境にも悪影響を与えています。

そこで今、バングラデシュではこの繊維廃棄物をリサイクルし、サステナブルな産業構造へと変えていこうという動きが本格化してきています。

廃棄される布に新たな命を

従来、バングラデシュの繊維廃棄物の多くは埋め立てや焼却処分されてきました。その中には高品質なコットンも多く含まれており、資源の損失が問題視されてきたのです。

注目されているのが「サーキュラー・ファッション(循環型ファッション)」の考え方。これは衣類を捨てずに、素材として再利用し、新しい製品へと生まれ変わらせるアプローチです。たとえば、工場から出た裁断くずを分別・加工して再び糸に戻し、新たな衣料品として活用する技術が開発されています。

こうした取り組みは、環境負荷の軽減だけでなく、経済的なチャンスとしても注目されています。リサイクルによって再生された繊維製品は、世界的に需要が高まっており、輸出の新たな柱になる可能性もあるのです。

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EU規制が後押しに

この流れを後押ししているのが、欧州連合(EU)の「エコデザイン規制」です。2023年に発表されたこの新しいルールでは、企業に対して製品設計の段階からリサイクルや再利用を前提としたものづくりを求めています。

この規制に対応しないと、ヨーロッパ市場への輸出に影響が出る可能性があるため、多くのグローバルブランドがバングラデシュのサプライヤーに対して「もっとサステナブルな生産体制を整えてほしい」と要求するようになりました。

その結果、バングラデシュ国内ではリサイクル設備への投資や、リサイクルを前提とした設計思想(デザイン・フォー・リサイクル)が浸透しつつあります。

現場の課題と希望

とはいえ、課題も山積しています。最大の問題は「インフラの未整備」。リサイクルの前提となる廃棄物の分別や回収システムが十分に機能しておらず、工場ごとに取り組みにばらつきがあります。また、労働環境の整備や教育の面でも改善が必要です。

一方で、国内の一部企業やNPOは、透明性の高いリサイクルチェーンを構築しようと努力しています。たとえば、ブロックチェーン技術を活用してリサイクル素材のトレーサビリティ(追跡可能性)を確保するプロジェクトなども進行中です。

こうした新しい動きは、環境だけでなく、労働者の待遇改善や地元経済の活性化にもつながる可能性があり、バングラデシュにとって大きな転機となるかもしれません。

私たちにできること

遠い国の話のように思えるかもしれませんが、私たち消費者も大きな影響力を持っています。たとえば、洋服を買うときに「再生素材を使っているかどうか」「企業がどのような取り組みをしているか」を少しだけ意識すること。それだけで、リサイクルの流れを後押しすることができるのです。

ファッションの裏側で起きている変化に目を向けること。消費の一歩先を考えること。それが、未来の地球と社会に優しい選択につながります。

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