はじめに
夕方、保育園や幼稚園から帰ってきた子どもに「今日なにした?」と聞くと、
返ってくるのは――
「べつに」「わかんない」「あそんだ」…だけ。
これ、よくあることですよね。
親としてはもっといろいろ聞きたいし、子どもとの会話も楽しみたい。でも、なぜか盛り上がらない…。
そんな時に役立つのが、「聞き方」を少し工夫すること。
今回は、5歳児を育てるわが家で効果があった “魔法の質問” をご紹介します。
なぜ「今日なにした?」は答えづらいのか?
「今日なにした?」という質問は、大人にとっては普通でも、子どもにとってはとても 漠然 としています。
特に幼児期の子どもは、時間の感覚がまだあいまいで、今日の出来事を順番に思い出して言葉にするのが難しいんです。
また、疲れていたり、頭がまだ「遊びモード」だったりすると、深く考える気力がなくて「わかんない〜」で終わってしまうことも。

子どもが話しやすくなる“魔法の質問”5選
では、どんな聞き方をすれば、子どもがもっと話したくなるのでしょうか?
実際にわが家で使っている魔法の質問を5つご紹介します。
①「今日、一番笑ったことなに?」
→ 楽しい記憶から話しやすい!
これは定番ですがとても効果的です。
「なにが面白かった?」「だれが笑わせたの?」と、ポジティブな気持ちを引き出すことができます。
子ども「〇〇ちゃんが変な顔したの~」
親「どんな顔?ママにもやってみて~!」
→ 会話がふくらみ、笑顔が増えます。
②「おかわりしたくなったごはんあった?」
→ 給食やお弁当の話題は食いつきやすい!
食べ物の話は、子どもにとって身近で話しやすいテーマ。
「カレーだった!」「スープがにんじんだらけだった」など、会話が広がります。
さらに、「そっか、にんじん好きだもんね!」とつなげれば、自己肯定感にも◎。
③「いちばんびっくりしたこと、あった?」
→ 記憶に残りやすい“感情”に注目
驚いたり、不思議に思ったりした出来事は、子どもも覚えています。
「せんせいが髪の毛切ってた!」「ダンゴムシがころんだ!」なんて返事が返ってくることも。
そこから「じゃあダンゴムシって転がるの?」「今度一緒に探してみようか」と広げていけます。
④「今日、先生なんて言ってた?」
→ 大人の言葉を思い出すきっかけに
「おはようって言ったら、ニコニコだった」
「先生が“すごい!”って言ってくれた」など、先生とのやりとりは子どもにとって重要な場面。
子どもが褒められたことを再確認できたり、不安だったことを話すきっかけにもなります。
⑤「お友だちと〇〇した?」
→ “誰と”を入れると具体的に
「今日、〇〇くんとあそんだ?」のように、“誰と”を加えると、思い出しやすくなります。
ポイントは、前に子どもが話してくれた友だちの名前を覚えておくこと。
それだけで「ママはちゃんと自分の話を覚えてくれてる」と感じ、子どもは心を開きやすくなります。
ちょっとしたコツ:質問の“あと”が大事
質問を投げたあとに、すぐ答えが返ってこなくても大丈夫。
子どもは時間をかけて思い出すこともあります。
・急かさず、黙って待つ
・「そっか、あとで思い出したら教えてね」と安心させる
・遊びながら、車の中で…さりげなく聞く
この“余白”が、子どもの言葉を引き出す余裕になります。
おわりに|話すより“聴く”が魔法
子どもとの会話は、たくさん話すことよりも、安心して話せる雰囲気づくりが大切。
魔法の質問はあくまで“きっかけ”。一番の魔法は、目を見て「うんうん」と聴いてくれるあなたの存在かもしれません。
「今日なにした?」に困ったら、ぜひひとつ試してみてください。
きっと、子どもの世界が少しずつ、言葉になってあなたの元に届きます。
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